アイン・ランドとは
アイン・ランド(Ayn Rand、1905~1982年)は、アメリカの小説家・思想家です。社会主義思想の全盛期に資本主義を賛美する小説を書き、アメリカ人の思想に大きな影響を与えました。
自立した個人と自由な社会を讃え、人間精神への深い洞察を示すその作品は、作者の死後も多くの読者を魅了し続けています。著書の販売部数は今でも毎年数十万部に達し、累計で2千万部を突破しています(※1)。
ランドの小説は、結末まで読者を掴んで離さない、第一級の娯楽作品であると同時に、個人の可能性の大いさを説く人生論でもあり、自立した男女の関係を描く恋愛論でもあり、そしてなにより、人間の能力が最大限に開花する社会のあり方を示す、政治論・経済論・文化論でもあります。
英語圏の知的読者にとって、彼女の代表作を読んでいることは、ひとつの常識になっているようです。英語で書かれた新聞や雑誌を読んでいると、たとえば「(投資戦略として)“Atlas Shruggedポートフォリオ”を組むことを考えよう」といった言い回しが、当たり前のように登場します(※2)。
宗教を否定し、福祉を嫌悪し、規制なき資本主義を賛美するランドの思想には、アメリカでも反発する人が多いのも事実です。
それでも彼女の作品が、社会と個人に関わる重要な真実を抉り出していることは、その思想を是とするか非とするかを問わず、誰しも否定できないでしょう。アイン・ランドは、知的人間を自負する者なら、誰でも一度はその洗礼を受けるべき存在なのです。
※1 The Ayn Rand Instituteのウェブサイトの、「A Brief Biography of Ayn Rand」に記載されている数字。※2 「International Herald Tribune (Tokyo, Osaka & Fukuoka)」June 18-19、2005、Page 16、「A novel approach」で使われていた表現。『Atlas Shrugged』はランドの代表作の1つ。
※ アイン・ランドに関する詳しい情報は、『水源』の翻訳者である藤森かよこ氏が主催するウェブサイト、「日本アイン・ランド研究会」で読むことができます。
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